気になる事例

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根抵当権の極度額と借入限度額の違い

2014/5/14

不動産担保ローンの根抵当権設定融資は、極度額の範囲内で継続的に融資実行を受けられる権利設定だと以前に解説しました。本日は根抵当権設定の極度額と極度額範囲内での融資限度額についての解説をした事例をご紹介します。不動産担保ローン業者は根抵当権設定時に、債務者が借り入れする融資元本金額より多くの金額を極度額設定します。融資元本金額に遅延等が生じた場合、元本金額に損害金が計上されますが、請求できる金額も極度額の範囲内となるので融資元本に損害金を計上した登記設定となります。例えるなら債務者が借り入れた融資元本が1000万円であれば極度額は1500万円と設定します。ノンバンクの遅延損害金は上限20％ですから1000万円を2年延滞すると遅延損害金は400万円と計算されます。極度額を1500万円で設定しておけば遅延損害金も極度額の範囲内に収まり、ノンバンクの債権回収の保全となるのです。
本日は政策金融公庫から根抵当権極度額1500万円、残債務1000万円の融資を受けている資金需要者が追加融資を否決されたため、新たな資金調達先としてノンバンクから根抵当権設定の不動産担保ローンを希望されるお客様の事例をご紹介します。
気になる事例VOL･75　は静岡県静岡市在住の田淵様。45歳の男性で、静岡市内で染色加工業を営む法人経営者です。
政策金融公庫完済資金1000万円、事業資金として200万円、合計1300万円の法人向け不動産担保融資希望です。

担保物件：静岡県静岡市清水区青葉町の一戸建て住宅
登記簿権利（甲区）：田淵様権利
登記簿権利（乙区）：根抵当権設定あり　政策金融公庫　極度額1500万円　残債務1000万円
利用形態：居住用住宅
土地80坪　木造2階建て　昭和56年新築
田淵様ご家族4人が居住
担保査定：不動産担保ローン審査対象物件はJR東海道本線桜橋駅より南へ、徒歩5分の第1種中高層住居専用地域に位置する。桜橋駅近辺は小中学校や公園施設が隣接する生活観溢れる中級住宅地である。中心部へのアクセスも新幹線停車駅の静岡駅や清水駅まで30分以内と利便性は高い。桜橋駅徒歩5分圏内の不動産土地取引平均坪相場は平均35～40万円で取引されている。不動産担保ローン審査対象物件は桜橋駅から徒歩5分圏内、古くからの住宅街で建築基準芳情の高さ制限があるため、日照を制限する高層建築物が建つ心配もない。平均的な住宅街として一定の需要もあるため通常土地取引相場での取引が可能と判断。よって土地坪数80坪×坪単価35万円=総額2800万円と不動産担保評価。政策金融公庫完済資金1000万円と事業資金合わせて融資上限限度額1500万円の融資実行に問題は無い。田淵様が根抵当権設定での不動産担保融資を希望されたため根抵当権極度額2000万円、融資実行限度額1500万円　融資実行額1300万円で融資審査を可決。田淵様には不動産担保ローン融資実行に必要な書類として決算書3期分、各種納税証明書、政策金融公庫へ完済通知と根抵当権抹消書類の準備依頼、事業計画書等をご用意いただきまして後日、融資金額1300万円、貸出金利6％、返済年数20年、毎月々9万3000円お支払い、返済総額約2236万円という内容の法人向け不動産担保ローンが融資実行となりました。

本日は政策金融公庫完済資金、新たな事業資金捻出のため、根抵当権設定での法人向け不動産担保ローンを希望されるお客様の事例をご紹介しました。
田淵様も「政策金融公庫の融資限度額を超えてしまったので、新たな資金調達先を探していた。条件に合うローンが組めてよかった。」と喜んでました。
気になる事例VOL･75　本日はこの辺で。

監修
株式会社ABCサニー代表取締役
貸金業務取扱主任者
秋山容吉

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